8 足関節 セルフ・メディケーション

 足関節は最も安定している関節と言われていますが、怪我や使い過ぎにより腱などの硬さ(拘縮)が生じます。

前方・後方・内側・外側それぞれに腱が滑動しており、この動作がなめらかに動かないことで足や膝などの症状が出てきます。

初期であれば、自己ストレッチで対応可能ですが、癒着範囲が広がることで治療にはリリース注射などが必要になります。

普段から柔軟性を高め、正しい使い方を覚えていきましょう。

動きの硬さの程度に合わせ、徐々に自宅でもリハビリを行い、Lev.1から開始し、徐々にレベルアップを進めてましょう。。

※担当のリハビリスタッフの指導のものに行ってください。

8-1  腓腹筋ストレッチ

【適応】

足首や足が硬い方、膝が伸びにくい方

【目的】

 

 ふくらはぎの浅層に位置する筋肉で、膝からアキレス腱までつながっています。

「立ち続けている」など使いすぎることで硬くなり、膝の伸びずらくなることや、足首を反らす動きが悪くなります。

ストレッチを行うことで膝や足関節の動きを改善します。


Lev.1

脚を前後に開いて、後ろ足の足の裏を

床につけることで、ふくらはぎのを伸ばします。

※足先は前に向けて下さい。 

Lev.2

Lev.1の状態のから、

次に足先を外側に向けます。

 

 

Lev.3

Lev.2の状態から、

次に足先を内側に向けます。

 

 


8-2 ヒラメ筋ストレッチ

【適応】

足首や足が硬い

【目的】

ふくらはぎの深層の筋(ヒラメ筋)で、膝下から足部までつながっており腓腹筋よりも足の底屈に関与します。

なので、硬くなることで足首を反らすことが動きづらくなり、痛みの原因や歩行の障害になります。

 

また筋の周囲には血管や神経が通過するため、ストレッチを行うことで血流改善や筋疲労回復の効果を得られます。


Lev.1

ベットの上などで膝を曲げて座った状態で

足裏にタオルを掛けます。

手で引っ張るように足首を反らす

※踵が浮かないようにする 

Lev.2

次に足を床につけ、椅子から出し

体重を足前方にかけます。

 

 

 

Lev.3

足を台の上に乗せ膝を曲げながら

前足に体重をかける

※両手は膝上に置いておっきます。

 

 


8-3 長母趾屈筋ストレッチ

【適応】

母趾から足首が硬い方

足部骨・下腿骨折後の方

【目的】

骨折後に治療のためギプスでの固定を行います。

ギプスにより動きが制限されてると、長母趾屈筋(母趾を曲げる筋)とアキレス腱の間に癒着が起きやすくなり、

足首の動きが動きづらくなります。

ギプス固定の時期から足趾のストレッチを行い、内圧上昇(痛みの原因)の予防や硬くなることの予防につなげます。


Lev.1

親指にタオルを掛け、手で引っ張りながら

親指を反らす

※足首は反らさないように

 

Lev.2

Lev.1の状態から、足首を手前に反らします。

 

 

 


8-4 Kager's fat pat ストレッチ

【適応】

アキレス腱断裂後

足関節のギプス固定後

【目的】 

アキレス腱と足首の骨の間にある脂肪体をKager's fat pat(ケーラー脂肪体)と言います。

足首をスムースに動かす働きがあり、硬さをとることで足関節の動きが滑らかになります。


Lev.1-1

あぐらの姿勢から、膝を曲げます。

アキレス腱の前の窪みを摘まみます。

Lev.2

次はアキレス腱を挟み、内→外側、外→内側に下に押し込みます。 


8-5 骨間筋ストレッチ

【適応】

足底筋膜炎

足関節ギプス固定後

【目的】 

足趾の間にある筋肉で足趾の外広げや閉じる運動を行います。

足骨間筋周囲が硬くなることにより足部のアーチ形成が制限され、歩く際にスムーズに歩けなくなります。

骨間筋をストレッチすることにより効果が期待できます。


Lev.1

座った姿勢から膝を曲げ、

隣り合う趾の付け根を、

手で摘まみ上下に動かします。

※骨と骨の間が広がるように動かします。

Lev.2

Lev.1の状態から、次は趾の付け根を

左右に動かします。

※骨と骨の間が広がるように動かしましょう。


8-6 下腿筋力 トレーニング  

 

ふくらはぎのの筋力トレーニング方法です。


Lev.1

立った姿勢で両踵を上げた状態から

ゆっくりと踵を床に降ろします。

 

Lev.2

台や階段で、Lev.1を行います。

台の端につま先を乗せ、

踵を台の下までゆっくり降ろします。

※階段など安定した所で行いましょう。

 

Lev.3

Lev.2の状態を、片足で行います。


8-7 腓骨筋 トレーニング   

 

 

足を外返しのする腓骨筋のトレーニング方法です。


Lev.1

ベッドの上から、片脚を出します。

そのまま小趾を外上に持ち上げます。

Lev.2

Lev.1の状態で、チューブを使い抵抗をかけます。

動きは大きく、負荷は少なめに

※チューブは母趾の下にかけましょう。

Lev.3

Lev.2とは反対に、

動きを少なく、負荷を強めにかけます。

 


8-8 後脛骨筋 トレーニング   

   

土踏まずを作る筋のトレーニング方法です。


Lev.1

ベッドの上から、片脚を出します。

母趾を意識しながら、内返しします。

Lev.2

Lev.1の状態で、チューブを使い抵抗をかけます。

動きは大きく、負荷は少なめに。 

Lev.3

Lev.2とは反対に、動きを少なくし

負荷を強めます。


8-9 内在筋 トレーニング

 

タオルギャザーと呼ばれる方法で、足のインナーマッスルのトレーニング方法です。


Lev.1

イスなどに座った姿勢から、足底部を床につけます。

趾先で床を掴むように曲げます。

Lev.2

足の下にタオルを引きます。

趾先の曲げる動きだけでタオルを引き寄せます。

膝を使わないようにしましょう。

Lev.3

Lev.2の動作で、タオルに重しを載せて行います。


8-10 固有神経協調運動

 

足の協調運動のトレーニング方法です。 


Lev.1

立った状態で、脚を前後に開きます。

前足にバランスディスクに乗せ体重を掛けます。

 

Lev.2

Lev.1の状態から片足立ちになります。

体重を掛けている足に、バランスをとるイスなどを

用意してください。

Lev.3

Lev.2の状態で、周囲のものにつかまらず、

片足立ちになりましょう。