肺炎は、治療が発達した現在においても注意が必要な疾患であり、日本における死亡率は第4位と高く認められます。年齢から考えると、60歳を超えると急に増加し、70歳を超えると、入院患者の80%は肺炎ともいわれています。
うがいや手洗いなど基本的な感染対策が大切ですが、それでも肺炎を生じることがあり発症予防として肺炎球菌ワクチンの接種も奨励されております。
肺炎.JPに分かりやすくまとめてありますので、ご参考としてください。
日本で生じる肺炎で最も多い原因菌は肺炎球菌です。
肺炎球菌ワクチンにより、 肺炎の予防効果が認められています。
肺炎球菌ワクチンには大きく2種類あります。
肺炎球菌には、約90種類ほどありますが、予防する種類で異なります。
ニューモバックスNP
価格:8,800円(接種料・税込み)
抗原数23価の多糖体(ポリサッカライド:PPSV23)ワクチンであり、公費助成の対象ワクチンとして投与されています。
抗原数が多く認められておりますが、抗体を作成する力は高くはありません。
肺炎球菌性肺炎を、63.8%減少させることが報告されています。
免疫記憶が関与しないため、5年ごとの再接種が推奨されております。
プレベナー13
価格:11,000円(接種料・税込み)
抗原数13価の結合型(コンジュゲート:PCV13)ワクチンで、主に自費診療にて投与されております。
ニューモバックスに比べ抗原数は少ないですが、抗体を産生する能力が高く、免疫記憶が関与する為、長期に免疫を獲得することができます。
肺炎球菌性肺炎を45.6%減少させると報告があります。
長期免疫が獲得できるので、再投与は必要ないと言われています。
肺炎のリスクが高い方に勧めております。
当院では、65歳以上の方で関節リウマチのため生物学的製剤を投与しており方には強く推奨しております。
肺炎のリスクの高い順に載せました。基本的にリスクのある方は、受けることをお勧めしています。
それぞれ効果発現機序が違う事から、併用した方が更に効果が高いことが分かっています。。
プレベナーからニューモバックスの投与が効果が高いといわれておりますが、公費助成の対象がニューモバックスであり、先行し投与することが多く見られます。
下記のスケジュールを御参考としてください。
公費助成にて、ニューモバックスから投与された方は、こちらのスケジュールで追加接種をしましょう。
2024年3月にて、70歳以上のニューモバックスの公費助成が終了となりました。
新規の65歳からの接種は継続されますが、公費助成は1回のみとなります。
まだ肺炎球菌ワクチンを接種されていない方は、プレベナーを接種し、ニューモバックスを追加接種されることをお勧めいたします。
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